ニンマ派(読み)ニンマは(その他表記)rNying ma pa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンマ派」の意味・わかりやすい解説

ニンマ派
ニンマは
rNying ma pa

チベット仏教の一宗派。8世紀末パドマサンババによってインドからもたらされたタントラ仏教を奉じる一派。タントラ仏教は,禁止に近い制限を受けていたが,王国衰亡とともに拘束を解かれて民間に浸透した。その後ポン教と習合して卑俗化を重ね,仏教再興期を迎えて正統派よりきびしく批判された。ニンマ派の伝統を伝えた人々は新訳密教に対抗して,吐蕃期の禅的な見解をタントラ仏教と合揉しながら説き,関連文献で相承系譜のないものを埋蔵本として示し,これらの発見を正当化する予言書まで示すことにより隠然たる勢力をもつにいたった。後代では,ダライ・ラマ系列にもその信奉者が現れた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ニンマ派」の解説

ニンマ派(ニンマは)
rNying ma pa

8世紀にチベットに招かれたインドの密教行者パドマサンバヴァの教えを奉じるチベット仏教の一派。17世紀にダライラマ5世の庇護もとに興隆し,ミンドゥルリンとドルジタクの二大寺を拠点とする南派北派の二大学派がある。

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