ぬかも(読み)ヌカモ

デジタル大辞泉 「ぬかも」の意味・読み・例文・類語

ぬか‐も

[連語]連語ぬか」+終助詞「も」。上代語願望の意を表す。…くれないかなあ。…てほしいなあ。
「ぬばたまの夜渡る月ははやも出で―」〈・三六五一〉
[補説]「ぬか」よりも強い願望の意を表す。

ぬ‐かも

[連語]《打消しの助動詞「ず」の連体形詠嘆の終助詞「かも」。上代語》詠嘆の意を表す。…ないなあ。…ないことだよ。
「あをによし奈良の都にたなびける天の白雲見れど飽か―」〈・三六〇二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぬかも」の意味・読み・例文・類語

ぬか‐も

  1. ( 願望の終助詞「ぬか」に詠嘆の助詞「も」の付いたもの ) 先行する助詞「も」と呼応して、ある事態の生ずることを願う意を表わす。…てでもくれないかなあ。…であってほしい。→終助詞「ぬか」
    1. [初出の実例]「吉野川行く瀬のはやみしましくも淀むことなくありこせ濃香問(ヌかモ)」(出典万葉集(8C後)二・一一九)

ぬ‐かも

  1. ( 打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」に係助詞「か」、詠嘆の助詞「も」の付いたもの ) 否定的な事態の詠嘆を表わす。…ないなあ。…ないことよ。
    1. [初出の実例]「さ寝床も あたは怒介茂(ヌカモ)浜つ千鳥よ」(出典:日本書紀(720)神代下・歌謡)

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