ヌマ(読み)ぬま(英語表記)Numa Pompilius

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌマ」の意味・わかりやすい解説

ヌマ
ぬま
Numa Pompilius

生没年不詳。伝説上の古代ローマ第2代目の王(在位前715?~前673?)。サビニ人でクレス(ローマの北東方約30キロメートル)出身。ロムルス死後、後継者に選ばれた。彼は在位中に、手工業者の組合をつくらせ、暦法を改革し、ウェスタ巫女(みこ)、神祇(じんぎ)官、鳥占官(アウグル)などの神官職を新設ないし増設し、ウェスタの神殿王宮(レーギア)を建て、またいくつかの祭祀(さいし)を創設するなど、主として宗教的な諸立法を行ったと伝えられる。しかし事実はむしろ、後代の宗教的諸改革が彼に帰せられる傾向があった。彼の実在性を主張する学者もあるが、それを否定する説のほうが有力である。また彼をピタゴラスの弟子とする伝説もある。

[吉村忠典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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