日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌメイリ」の意味・わかりやすい解説
ヌメイリ
ぬめいり
Ja‘far Muhammad al-Nimairi (Numeiri)
(1930―2009)
スーダンの軍人、政治家。郵便配達人の息子としてオムデュルマン郊外に生まれ、陸軍士官学校を卒業。エジプト、リビア、西ドイツ、アメリカなどに留学。1969年5月クーデターにより政権を握り、革命評議会議長に就任。1971年の左派クーデターで一時失脚するが、リビアなどの支援でただちに政権に復帰し、共産主義者を粛清するとともにスーダン社会主義連合の一党制によって基盤を固め、大統領に就任。1972年には17年も続いた南部反政府勢力との武力紛争を解決するなど政治的手腕を示した。しかしその後しだいに失政が目だつようになり、南部との関係も悪化し、反政府勢力の圧力が強まるなか、1985年4月の軍部クーデターで失脚し、エジプトに亡命した。禁止されていた政党活動が解禁されたのを受け、1999年5月に帰国し、2000年12月の大統領選挙に人民労働勢力同盟(APWF)から出馬したが、現職のバシールOmar Hassan Ahmed al-Bashir(1944― )に大差で敗れた。
[小田英郎]