ネポムク巡礼聖堂(読み)ネポムクじゅんれいせいどう(その他表記)The Pilgrimage Church of St. John of Nepomuk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネポムク巡礼聖堂」の意味・わかりやすい解説

ネポムク巡礼聖堂
ネポムクじゅんれいせいどう
The Pilgrimage Church of St. John of Nepomuk

チェコ中央部,プラハ南東約 120km,モラビア州のゼレナホラ地方にある聖堂および付属する五つの小礼拝堂。 14世紀末の聖人ネポムクのヨハネのために,シトー会修道院長の依頼を受けて,建築家で画家ヤン・ブラジェフ・サンティーニがネオ・ゴシック様式とバロック様式を折衷した形式で建てた。聖人ネポムクのヨハネは 14世紀末に司祭を務めた大司教代理で,国王拷問にも屈せず王妃告解の秘密を守り通し,ついにはヒツジの革袋に入れられて川に投げ込まれたという伝説をもつ。その享年 53歳にちなんで,サンティーニは5と3に基づいて空間を構成した。聖堂は 10の点を結ぶ五つの楕円形からなる星形になっており,中央部は尖頭穹窿形。聖堂をめぐる回廊は十角形で,そのうちの五つに五角形の小礼拝堂を配してある。完成前の 1720年に聖所に認定され,ボヘミアを代表する巡礼地となる。 1994年世界遺産の文化遺産に登録。

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