のろり(読み)ノロリ

デジタル大辞泉 「のろり」の意味・読み・例文・類語

のろり

[副]
こせこせしないでのんびりしているさま。
「―と育って世間塩風の辛いのも寒いのも知らぬ男」〈露伴露団々
漫然と振る舞うさま。ふらりと。
露地の中から、蜥蜴とかげのように、―と出て」〈鏡花・日本橋〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「のろり」の意味・読み・例文・類語

のろり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. はっきりした理由もなく漫然とふるまうさまを表わす語。ふらり。
    1. [初出の実例]「ゆふべのろりと帰(けへ)った所が、内へは這(へ)入られねへから」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)三)
  3. こせこせしないで、悠長であるさまを表わす語。のんびり。
    1. [初出の実例]「見送りの逆櫓にもとる鈴の森〈米仲〉 のろりと遣ふ鶴の泥足〈亀成〉」(出典:俳諧・江戸新八百韻(1756))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android