日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハスキル」の意味・わかりやすい解説 ハスキルはすきるClara Haskil(1895―1960) ルーマニア出身のスイスの女流ピアノ奏者。ブクレシュティ生まれ。パリ音楽院でコルトー、フォーレなどに学び、卒業後さらにブゾーニにも師事した。イザイ、エネスコ、カザルスなどとの共演で名をあげ、ついで独奏者として頭角を現し、20世紀前半を代表する女流の1人となる。古典派・ロマン派を主たるレパートリーにしたが、とりわけモーツァルトは、馥郁(ふくいく)たる表現ゆえに高い評価を得た。晩年はバイオリン奏者グリュミオーと組んだ二重奏で奥行の深いモーツァルトを生み出した。[岩井宏之] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例