エネスコ(読み)えねすこ(英語表記)George Enescu (Georges Enesco)

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エネスコ」の意味・わかりやすい解説

エネスコ
えねすこ
George Enescu (Georges Enesco)
(1881―1955)

ルーマニア作曲家、バイオリン奏者。ウィーン音楽院に学び、17歳でバイオリニストとしてデビュー。さらにパリ音楽院でバイオリンの腕を磨く一方マスネフォーレのもとで作曲を学ぶ。その後独奏者、指揮者として活躍しながら、パリのエコール・ノルマルの教授として、グリュミオー、メニューインなどを育てた。また母国の音楽振興にも努め、20世紀ルーマニア音楽の指導的存在となった。作品には、オペラ『エディプ』(1936)、管弦楽曲『ルーマニア詩曲』(1897)、二つの『ルーマニア狂詩曲』(1901、02)などがある。

[寺田由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エネスコ」の意味・わかりやすい解説

エネスコ
Enesco, Georges

[生]1881.8.19. ドロホイ近郊リベニ
[没]1955.5.4. パリ
ルーマニアのバイオリニスト,作曲家。7歳でウィーン音楽院に入学,ヘルメスベルガーにバイオリンを,フックス理論を学ぶ。 1894年パリ音楽院で,バイオリンはマルシックに,作曲はフォーレマスネ師事。演奏家として活躍するかたわら,98年『ルーマニア詩曲』で作曲家として認められる。フランスの近代的な手法のうえに,故国ルーマニアの民族音楽の要素を取入れた『ルーマニア・ラプソディー』やオペラ『オイディプス王』そのほか多数の管弦楽と室内楽を作曲し,現代ルーマニアの代表的作曲家とされる。 Y.メニューインの師としても有名。

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