ハムギョンプク道(読み)ハムギョンプク(その他表記)Hamgyǒng puk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハムギョンプク道」の意味・わかりやすい解説

ハムギョンプク(咸鏡北)〔道〕
ハムギョンプク
Hamgyǒng puk

北朝鮮の北東端にある1級行政区。道庁は直轄市のチョンジン (清津) に置かれている。行政区域は3市 13郡。北はトゥマン (豆満) 江を境に中国,ロシアと接し,東と南は日本海に臨む。中央をハムギョン (咸鏡) 山脈が北東から南西に延び,面積の約 90%が山地である。大部分の河川は急流をなすため河岸に平地は発達せず,平野は海岸とトゥマン江沿いに連なるのみである。年平均気温は山脈の北西側で5~6℃,南東側で7~8℃。年降水量 500~700mm。地下資源が豊富で,特に褐炭は北朝鮮の 80%以上を産出。おもな炭鉱はトゥマン江の中・下流域のアオジ (阿吾地) ,コゴンウォン (古乾原) ,ハクポ (鶴浦) ,オンソン (穏城) ,南部のミョンチョン (明川) =キルチュ (吉州) 地溝帯にあるコチャム (古站) の各炭鉱である。鉄,黒鉛,金,雲母,マグネサイト,カオリン土,石灰石,ニッケルも産する。キムチェク (金策) 市は鉄鋼を中心とする工業都市で,ほかにアオジ,ミョンガン (明間) などにも化学工業がある。農業は畑作を主とし,コムギ,トウモロコシ,ダイズが主作物である。トゥマン江と海岸に沿う低地では稲作を中心とする。木材の産出が多く,キルチュ,フェリョン (会寧) に製材製紙の工場がある。沿岸にはラジン (羅津) ,キムチェクなどの漁港があって,スケトウダラ水揚げが多い。ミョンチョン郡のチルボ (七宝) 山はハムギョンクムガン (咸鏡金剛) と呼ばれる景勝地である。北端のオンソン一帯は,日本の統治期に抗日革命根拠地となった。面積1万 5700km2。人口 200万 3000 (1987推計) 。

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