日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルトレーベン」の意味・わかりやすい解説
ハルトレーベン
はるとれーべん
Otto von Hartleben
(1864―1905)
ドイツの劇作家。クラウスタール生まれ。詩集『学生の日記』(1886)、『わたしの歌』(1895)、『熟した果実』(1905)では快い生の喜び、優美な風刺が特徴的であるが、『アンゲルス・ジレージウス選集』(1896)を出して以降は瞑想(めいそう)的な気分に傾いている。彼の文学の特徴である風刺のきいたユーモアがもっともよく表れているのは短編小説『引きちぎられたボタンの物語』(1893)、『客をもてなす司祭』(1895)などである。そのほか『ハンナ・ヤーゲルト』(1893)、『謝肉祭の月曜日』(1900)などの社会悲劇もある。
[佐藤自郎]