ハーンパー(読み)はーんぱー(英語表記)Pentti Haanpää

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハーンパー」の意味・わかりやすい解説

ハーンパー
はーんぱー
Pentti Haanpää
(1905―1955)

フィンランドの作家。小学校卒業後、森林労働と農業に従事しながら、短編集『国道に沿って』(1925)でデビュー。北部寒村の農民や材木切出人の不毛に近い生活を描き、社会批判ともいえる作品を多く残した。とくに、短編作品群は、生活語を多用し、荒々しくも鋭い洞察に満ち、簡潔で迫力に富んだ風刺のきいた独自の文体で綴(つづ)られ、「ユットゥ」(小話)とよばれて新ジャンルとなった。その作品は数多く、死後にも遺稿集三巻が刊行され、創作力のある作家として評価は高まるばかりである。『原野兵舎』(1928)、『荒野戦争』(1940)など、社会風刺小説にも傑作を残した。

[高橋静男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーンパー」の意味・わかりやすい解説

ハーンパー
Haanpää, Pentti

[生]1905.10.14. ピーポラ
[没]1955.10.1. ピーポラ
フィンランドの小説家。小学校卒業後,農林業に従事し,『田舎の道を通って』 Maantietä pitkin (1925) でデビュー。フィンランド北部の荒地に働く森林労働者を描いた作品が多い。主著『荒野の戦争』 Korpisota (40) ,『9人の男の長靴』 Yhdensän miehen saapaat (45) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android