バクラーノフ(読み)ばくらーのふ(英語表記)Григорий Яковлевич Бакланов/Grigoriy Yakovlevich Baklanov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バクラーノフ」の意味・わかりやすい解説

バクラーノフ
ばくらーのふ
Григорий Яковлевич Бакланов/Grigoriy Yakovlevich Baklanov
(1923―2009)

ロシアの作家。第二次世界大戦に従軍。ゴーリキー文学大学卒業後、作家活動に入る。『主力攻撃より南へ』(1958)、『一寸の土地』(1959)、『死者に鞭(むち)打つなかれ』(1961)、『41年7月』(1964)など一連の中編小説で、戦場という極限状況内での人間の心理モラルの問題を追究戦争文学のジャンルに新手法をもたらす。ほかに現代社会における人間の苦悩と生き方の問題に光を当てた中編『カルプーヒン』(1966)、長編『親友たち』(1975)、長編『末弟』(1981)、中編『仲間』(1990)などがある。1986年から1991年まで文芸雑誌『ズナーミャ』の編集長として文学界刷新につとめた。

[箕浦達二 2016年1月19日]

『箕浦達二訳『カルプーヒン』(『現代ソヴェト文学18人集3』所収・1967・新潮社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バクラーノフ」の意味・わかりやすい解説

バクラーノフ
Baklanov, Grigorii Yakovlevich

[生]1923.9.11. ボロネジ
ソ連,ロシアの作家。第2次世界大戦に参加,戦争のなかで青春をおくり,戦後,ゴーリキー文学大学を卒業。『鷽 (うそ) のなかで』V snegiryakh (1954) で作家としてデビュー。初めコルホーズ農村をテーマにした短編ルポルタージュを書いたが,やがて戦場における兵士の日常を描いた作品で本領を発揮。ほかに『主力攻撃より南へ』 Yuzhnee glavnogo udara (58) ,『一寸の土地』 Pyad' zemli (59) ,『死者に鞭打つなかれ』 Mërtvye sramu ne imut (61) など。

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