日本大百科全書(ニッポニカ) 「バクル」の意味・わかりやすい解説
バクル
ばくる
Amad asan al-Bakr
(1914―1982)
イラクの軍人、政治家。イラク軍の将校であったが、1958年7月の共和革命に参加。しかし、革命後のカセム政権と対立し軍を追放される。1963年の二月革命によってカセムを倒し、アレフAbd al-Salam Aref大統領(1921―1966)のもとでバース党政権の首相となるが、同年11月アレフ大統領のクーデターでバース党政権が追放されると、しだいに権力の中枢から遠ざけられるようになった。1968年7月のバース党によるクーデター成功後大統領に就任、同時に革命評議会議長、軍総司令官、バース党書記長を兼任し、全権を掌握する。1979年健康上の理由で大統領をサダム・フセインに譲り政界から引退する。1982年病死。
[木村喜博]