バニシングスプレー(読み)ばにしんぐすぷれー(英語表記)vanishing spray

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バニシングスプレー」の意味・わかりやすい解説

バニシングスプレー
ばにしんぐすぷれー
vanishing spray

サッカーなどのスポーツの試合において、審判の判断で一時的な印をつけるために、グラウンドに直接吹きつけて使用するスプレー。消えるスプレー(噴霧装置)という意味で、バニシングフォームvanishing foam(消える泡)ともいう。噴霧された泡はおよそ1分から数分間白線状に残り、やがて自然に消える。成分の約8割は水で、残りはブタンガスとごく少量の界面活性剤である。

 サッカーの試合では、おもにゴールエリア付近で反則があった場合に使用される。フリーキックの際、ボールを置く位置や守備側の立ち位置を巡って選手がせめぎあい、ときに遅延行為やさらなる反則行為に至ることがある。スプレーで線を引いて位置を明確に示すことにより、ゲームをスムーズに進めるというねらいがある。

 南アメリカでは2000年ごろからプロリーグや国際試合で使用されているが、FIFAワールドカップでは2014年に開催されたブラジル大会で初めて使用された。これ以降、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)に所属するイタリア、スペイン、フランス、イギリスなどのプロリーグでも、バニシングスプレーが使用されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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