改訂新版 世界大百科事典 「ばら窓」の意味・わかりやすい解説
ばら窓 (ばらまど)
rose window
キリスト教聖堂の正面上部に造られる,放射状のトレーサリーをもつ円形の窓。円花窓,車輪窓wheel windowともいう。一般に西正面であるが,トランセプトの南,北正面などにも設けられる。キリストを太陽になぞらえて造った円形の窓から発達したもので,その最も古い例は12世紀イタリアの聖堂にみられる。フランスのゴシック大聖堂でとくに大型となり,美しいステンド・グラスがはめこまれている。聖書主題による図像が主であるが,星座,自由七科,四季など象徴的意味をもつ種種のモティーフも見られる。(図参照)
執筆者:飯田 喜四郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報