ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バレワ」の意味・わかりやすい解説
バレワ
Balewa, Sir Abubakar Tafawa
[没]1966.1. ナイジェリア,イフォ付近
ナイジェリアの政治家。北部人民会議 NPCの指導者,連邦の初代首相(在任 1957~66)。NPC指導層にはまれな庶民の生まれで,北部固有の利益を擁護するとともに,改革とナイジェリアの統一を主唱した。政治家となる前は教師で,北部出身者では初めて 1945年にロンドン大学教育研究所に派遣された。1946年に帰国後,北部保護領議会議員に選出され,1947年には北部代表 5人の一人としてラゴスの中央立法議会に参加した。イスラム教徒の多い北部の一部の保守的な首長に反感をもたれながらも,1951年には議員に再選された。1952年からは生涯,連邦政府の職にあった。1950年代半ばに閣僚を歴任し,その後連邦下院の NPC首班としてナイジェリア初代首相に就任。独立を前にした 1959年の選挙を経て,ンナムディ・アジキウェ率いるナイジェリア・カメルーン国民会議との連立政権で再び首相となった。独立後は一定の権限が州首相に委譲されたため,中央政府首相としてのバレワの権限は大きく制限された。1964~66年には国内の緊張が高まり,1964年の選挙の一部ボイコット,軍部の不穏な動き,西部州での暴動などが相次いだが,バレワはこれらをしずめることができず,1966年,クーデターで殺害された。
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