デジタル大辞泉
「バージェス頁岩」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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知恵蔵
「バージェス頁岩」の解説
バージェス頁岩(けつがん)
カナダのロッキー山脈のカンブリア紀中期の地層。保存されにくい無脊椎動物化石を多産する。米国のC.D.ウォルコットが1910年代〜30年代に70属130種を記載。カンブリア紀の多細胞動物の、爆発的進化(カンブリア大爆発)を考えるうえで重要。70〜80年代に精力的に再研究され、甲殻類・毛顎類・多毛類とされていたものの分類が見直された。この研究に貢献したケンブリッジ大学名誉教授のハリー・ウィッティントンは2001年、国際生物学賞を受賞。節足動物の4大グループ(単肢類〈昆虫など〉、鋏角類〈クモ、サソリなど〉、甲殻類〈エビ、カニなど〉、三葉虫類)のほか、ユニークな節足動物が約20種類、既存の動物門に入らない約20種類も判明。無脊椎動物は爆発的に多様化し、多くがすぐ絶滅したと思われたが、近年はその子孫らしい動物が発見されつつある。生き残った種類は複雑化の道をたどり、多くの種類が生じて今日に至ったが、バージェス動物群で立てられた系統分類に対して新しい門は追加されなかった。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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バージェス頁岩
バージェスけつがん
Burgess shale
カナダのロッキー山脈中にある約5億年前のカンブリア紀の地層。 1909年,古生物学者のウォルコットが頁岩中に膨大な化石群を発見した。化石の生物はバージェス動物群と呼ばれ,これまでの分類体系に属さない珍種,生物学上の「孤児」が 20種以上も発見された。魚と昆虫の合体したようなネクトカリス,歯の生えたヒルそっくりのオドントグリフス,7対の長いトゲを持ち,体の反対側に7本の触手をゆらめかす異様なハルキゲニアなどがそれらである。頁岩は通常の岩石中では化石として残りにくい無脊椎動物化石を多く含み,生物進化研究の貴重な資料となっている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のバージェス頁岩の言及
【カンブリア紀】より
…古杯類は以後まったく発見されていない。 中期の地層で,カナダのアルバータ地方のロッキー山中に露出するバージェスケツ岩からは,70属130種以上の化石群([バージェス動物群])が発見されているが,多くは付属肢や軟体部など微細な構造を残しており,系統上重要な情報を提供している。 カンブリア紀は,主として三葉虫群の特徴により前,中,後の3期に分けられる。…
※「バージェス頁岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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