バーボンウイスキー(読み)ばーぼんういすきー(英語表記)bourbon whiskey

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーボンウイスキー」の意味・わかりやすい解説

バーボンウイスキー
ばーぼんういすきー
Bourbon whisky

代表的なアメリカンウイスキー。開拓時代、ケンタッキー州バーボン郡で、農民たちにより、トウモロコシを主原料にしたウイスキーが多くつくられたことからこの名があり、正確にはストレートバーボンウイスキーという。

 アメリカのウイスキーは法律的には三十数種に分類されるが、現実にはストレートバーボンウイスキーとブレンデッドウイスキーの二つがほとんどを占めている。ストレートウイスキーとは、穀類デンプン麦芽で糖化(原料の51%以上占める穀類名をつけてよばれるが、バーボンの場合はトウモロコシ51%以上、コーンの場合は同じくトウモロコシ80%以上である)、連続式蒸留機でアルコール濃度を80%未満で蒸留、内面を焼き焦がし炭層をつけたホワイトオークの新樽(たる)に留出液を入れて、2年以上熟成させたウイスキー(ストレートコーンウイスキーの場合だけは古樽または内面を焦がさない新樽で熟成する)である。ブレンデッドウイスキーは、このストレートウイスキーを20%以上含み、残りはライトウイスキー(穀類原料でアルコール濃度80%以上95%未満で蒸留したウイスキー)、またはニュートラルスピリッツ(原料のいかんを問わずアルコール濃度95%以上で蒸留したもの)である。また、ブレンデッドバーボンウイスキーとよばれるものは、ストレートバーボンウイスキーを51%以上含んだもので、そのほかのことはブレンデッドウイスキーと同じである。ストレートバーボンウイスキーは、内面を焦がした新樽に熟成されるため色調が濃く、香味世界のウイスキーのなかでもっとも強烈である。

[鴨川晴比古]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

飲み物がわかる辞典 「バーボンウイスキー」の解説

バーボンウイスキー【bourbon whiskey】


アメリカ中東部のケンタッキー州を主産地とするとうもろこしを原材料に用いたウイスキー。連邦アルコール法では、原料にとうもろこしを51%以上使用し、アルコール分80%以下で蒸留、内面を焼いたオーク材の新樽で熟成させたものと規定されている。2年以上熟成させることが一般的。とうもろこしを80%以上使用したものは「コーンウイスキー」ということが多い。◇ケンタッキー州バーボン郡でつくられたことから。「バーボン」と略す。

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバーボンウイスキーの言及

【ウィスキー】より


[アメリカンウィスキー]
 アメリカのウィスキー生産は,18世紀末すでに西部を中心に蒸留所5000を数えるほどの盛況であったが,独立戦争後課税問題から紛争が起こり,蒸留者たちは追及の手をのがれて辺地に移った。その一部がケンタッキーのバーボン郡で造りはじめたものから,アメリカのウィスキーを代表するバーボンウィスキーは発祥している。現在バーボンは9州で生産され,銘柄は2000以上になるが,これは法律によって,コーンを原料の51%以上使ったものをバーボンウィスキーとしているためである。…

※「バーボンウイスキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android