改訂新版 世界大百科事典 「バール川」の意味・わかりやすい解説
バール[川]
Vaal River
南アフリカ共和国北東部を流れる川。オレンジ川最大の支流で,長さ1260km,流域面積14万km2。トランスバール州南東部,標高1600mの高原面に発し,ほぼ西南西に流れ,ダグラス西方でオレンジ川に合流する。南ア共和国中北部の農牧業にとって重要な川である。中流に1936年に建設されたバール・ダムは用水源のほか,電力源としてウィットウォーターズランド地域の工業にも役だっている。また163km2の人造湖は観光客を集める。なお沿岸には化石人類アウストラロピテクスの初出土(1924)で名高いタウングズ(現,タウング)ほか,人類遺物,古生物などの遺跡が多く,第四紀研究の好フィールドとなっている。
執筆者:戸谷 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報