日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンバリー」の意味・わかりやすい解説
キンバリー
きんばりー
Kimberley
南アフリカ共和国中部、北ケープ州北東部にあるダイヤモンド鉱山都市。同州の州都ブルームフォンテーンの西北西150キロメートル、標高1250メートルに位置する。人口16万7060(1995)、うち白人は3万4066人。2002年の推計人口は18万9500。1871年のキンバリー鉱山の発見により建設され、75年にはケープ・タウンからの鉄道が開通、同鉄道の本部が置かれた。当初バルナトBarnett Barnato(1852―97)のキンバリー・セントラル鉱業会社がダイヤモンドの採掘にあたったが、88年セシル・ローズとラッドCharles Dunell Rudd(1844―1916)のデビアース鉱業会社に買収され、以後同社が採掘を続けた。市の中心部マーケット広場に面してグリクァランド・ウェスト最高裁判所、市庁舎、中央郵便局があり、デビアース鉱業会社事務所はストックディル街にある。そのほか公共建物のほとんどは目抜き通りのデュトアパン街にある。当地で産出されたダイヤモンド原石はいったんダイヤモンド取引所のキンバリー・ハウスに集められ、そこから国内およびイギリスの研磨工場に送られる。またこの目抜き通りとレノックス街との交差点にはセシル・ローズの馬上像、メモリアル街との交差点には第一次世界大戦記念碑が立っている。市の北部には、ビッグ・ホールとよばれる直径約500メートル、深さ約400メートル、運び出された土の量2100万トンという露天掘りの跡があり、その北側に設けられた展望台から観察できる。
[林 晃史]