結晶板の温度を変えるときその両面にそれぞれ現れる正・負の電荷。焦電気あるいはピロ電気ともいう。また結晶のこのような性質を焦電性という。
結晶は微視的にみると正・負の電荷をもった何種類かの微粒子から成り立っている。結晶はとくに外部から電荷を与えない限りは全体として電気的に中性であるから、結晶内の正電荷の総和と負電荷の総和とは絶対値が等しい。しかし正電荷の重心位置と負電荷の重心位置とは、結晶の対称性により、一致する場合と一致しない場合とがある。一致しない結晶は極性結晶といわれる。このような結晶は自然状態で電気分極をもっているわけで、これは自発分極(広義)とよばれるものである。自発分極は一般には温度に依存するので、極性結晶板の温度を変えると自発分極が変化し、その変化分に相当する正・負の電荷が板の両面に現れるのである。このように極性結晶はすべて焦電性を示すが、焦電性が強いのは主として極性結晶のなかの強誘電体である。焦電気は放射エネルギーの検出などに利用されている。
[沢田正三]
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…パイロ電気,またはピロ電気ともいう。熱したり冷やしたりすると結晶に電荷が現れる現象。…
※「パイロ電気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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