日本大百科全書(ニッポニカ) 「パッキン」の意味・わかりやすい解説
パッキン
ぱっきん
packing
気密性を保つための詰め物。パッキングともいう。油圧機器、圧縮機、ポンプ、ボイラーなど液体や気体が密閉されている容器の接合面での漏れを防ぐため、またこのような容器に、回転する軸、往復運動をする軸などが貫通している場合、その貫通部分から内部の液体や気体が外に漏れ出さないように密閉するため、いろいろな物質を詰める。密封する場所の構造により、また圧力、温度、運動などの違いにより、詰め物の材質、形も多種多様である。材料としては天然ゴム、人造ゴム、皮革、プラスチック、木綿、アスベスト、ガラス繊維、紙、木材などの非剛体物質がおもに使用される。このほか鉄、銅、鉛およびこれらの合金などの金属を組み合わせて使用することもある。ガソリンエンジンのシリンダーヘッドに入れたパッキンのように相対運動のないところに用いたときは、ガスケットgasketという。なお、箱詰めした荷物を運搬するとき、運搬途中での動揺によって内容物が破損しないように、荷物の周りに詰める糸状の紙、プラスチックなどもパッキン(グ)という。シールsealもパッキンと同義語である。
[中山秀太郎]