パレ・ロワイヤル(英語表記)Palais-Royal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パレ・ロワイヤル」の意味・わかりやすい解説

パレ・ロワイヤル
Palais-Royal

パリにあるルイ 13世,14世時代の王宮。 1632年宰相リシュリュー公の命で,ルーブル宮近くに自身の住居およびアカデミー・フランセーズ創設のための本拠として建設。建築家は J.ルメルシエ。パレ・カルディナル (枢機卿宮殿) と呼ばれた。内部には約 600人収容の劇場が造られ,41年『ミラーム』の上演開場翌年,宰相は死にのぞんでルイ 13世にこの建物を寄贈し,以来パレ・ロワイヤルと呼ばれるようになった。 60~73年モリエールの本拠となり,彼は自作を次々と発表。 70年にはオペラの装置が完備され,モリエールの没後は音楽家 J.リュリが受継いで,王立音楽アカデミーの本拠としてオペラを上演した。 1763年火災で東棟と劇場を焼失,再建されたが 81年に再び焼失。その後ルイ・フィリップは建築家ルイに命じて,庭の3方を囲む回廊 (商店街) と住宅を造り,ほぼ現在の形となった。また 86~90年にテアトル・フランセが建設され,コメディー・フランセーズの本拠地となったほか,今日ボードビルを上演するパレ・ロワイヤル劇場もこのときに造られている。宮殿は現在,上院議場および文化省の建物として使われ,現代美術家によって 260本の円柱が配された中庭広場として開放されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android