ルメルシエ(読み)るめるしえ(英語表記)Jacques Lemercier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルメルシエ」の意味・わかりやすい解説

ルメルシエ
Lemercier, Jacques

[生]1585頃.ポントアーズ
[没]1654.6.4. パリ
フランス建築家。 1607年から7年間イタリアに留学,バロック様式を学び,帰国後宰相リシュリュー知遇を得,またルイ 13世の寵を受けて,18年宮廷建築家となった (→ルイ 13世様式 ) 。彼の建築は 17世紀初頭のフランスに花開いた古典様式と彼がイタリアで学んできたバロック様式とを融合させたものであり,ルーブル宮殿の南西棟 (1624) ,ベルサイユ宮殿の狩猟用別荘 (24~26) ,リシュリュー邸 (25~35) ,ソルボンヌ聖堂 (35着工) などを建造

ルメルシエ
Lemercier, (Louis Jean) Népomucène

[生]1771.4.21. パリ
[没]1840.6.7. パリ
フランスの劇作家代表作悲劇アガメムノン』 Agamemnon (1797) ,喜劇ピント』 Pinto (1800) 。当時の新思潮であるロマン主義を激しく批判した。アカデミー・フランセーズ会員 (10) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルメルシエ」の意味・わかりやすい解説

ルメルシエ
るめるしえ
Jacques Lemercier
(1585ころ―1654)

フランスの建築家。王室首席建築家としてはルイ・ルボーの前任者であり、同時にルイ14世統治下のフランス古典主義の主導者であった。彼の作品と名声は、ともに枢機卿(すうききょう)リシュリューと深いかかわりをもっている。リシュリューの要請でパリにパレ・カルディナル(1633着工、現在のパレ・ロワイヤル)を建立し、また枢機卿を記念する小都市リシュリュー(アンドル・エ・ロワール県、1631)を計画した。リシュリューの委嘱によるもう一つの作品、ソルボンヌ大学付属礼拝堂(1635~42)は、イタリア・バロック様式を巧みに適用した彼の代表作として注目される。

[濱谷勝也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android