ヒダルゴ(その他表記)Hidalgo

改訂新版 世界大百科事典 「ヒダルゴ」の意味・わかりやすい解説

ヒダルゴ
Hidalgo

1920年にW.バーデにより発見された944番の小惑星軌道半長径が5.82天文単位と木星よりも大きい値をもっている。離心率も大きいので遠日点距離は9.6天文単位とほぼ土星軌道半径に等しくなる。ひところは軌道半長径および離心率の0.66,軌道傾斜の42.5度ともに小惑星中最大であったが,現在では第1位を軌道半長径は2060番キロンの13.69天文単位,離心率は1566番イカルスの0.827,軌道傾斜は2102番タンタラスの64.0度に譲った。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒダルゴ」の意味・わかりやすい解説

ヒダルゴ
Hidalgo

小惑星の一つ。 1920年に W.バーデが発見。軌道の確定した小惑星に与えられる登録番号 944。その軌道は離心率 0.657の楕円で,近日点は火星軌道近くに,遠日点は土星軌道付近にあり,小惑星中最大,したがって公転周期は 13.95年と小惑星中最長である。木星に非常に接近する場合があり,小惑星中最大の軌道傾斜角 42.5°はその影響である可能性がある。のときの平均実視等級は 18.0等,その明るさから直径は約 24~48kmと推定される。

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世界大百科事典(旧版)内のヒダルゴの言及

【特異小惑星】より

…(1)小惑星番号1番ケレスから4番ベスタまでのように,比較的大きな直径をもち,したがって明るく観測され,形状は一般の惑星と類似の球形をしていて,小惑星が誕生したときのままの形態を保っていると考えられるもの。(2)944番ヒダルゴ,2060番キロンのように,軌道半長径および離心率が大きい値をもっていて,遠日点が木星の軌道の外側にあるすい星と類似した軌道上を運行しているもの。(3)1862番アポロ,1566番イカルスのように軌道半長径が小さく,しかも離心率が大きい値をとっているため,近日点が地球の軌道を越えて太陽に近づくような軌道上を運行しているもの。…

※「ヒダルゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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