(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「衝」の意味・読み・例文・類語

しょう【衝】[漢字項目]

常用漢字] [音]ショウ(漢) [訓]つく
突き当たる。つく。「衝撃衝天衝動衝突緩衝折衝
重要な所。「要衝
[補説]原義は、町を突き抜ける大通り、交通の要所の意。
[名のり]つぎ・みち・もり・ゆく
[難読]衝立ついたて

しょう【衝】

必ず通る道や地点。要所。「水陸交通のにある都市」
大事な任務。「外交のにあたる」
外惑星が地球を挟んで太陽と正反対の方向に来ること。惑星の黄経と太陽の黄経との差が180度になること。このころ外惑星は地球に最も近づく。→ごう4
[類語]要衝要地

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精選版 日本国語大辞典 「衝」の意味・読み・例文・類語

しょう【衝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. とおりみち。通路衝路
    1. [初出の実例]「浜風の衝に当りて野を控ゆ」(出典:小春(1900)〈国木田独歩〉四)
    2. 「交通の衝に当った町々では」(出典:田舎教師(1909)〈田山花袋〉四四)
    3. [その他の文献]〔漢書‐酈食其伝〕
  3. つきあたる所。つきあたり。
  4. 重要な立場。大切な役。かなめ。要所。
    1. [初出の実例]「時政身当其衝、事無立弁」(出典日本外史(1827)四)
    2. 「自分が問題の衝に立つ場合となると然う簡単に決定出来ない」(出典:読書放浪(1933)〈内田魯庵〉上下思想とルパシカ思想)
  5. 外惑星などが地球をはさんで太陽と正反対の方向に来る状態。また、その時刻。この時、外惑星は地球に最も接近し、一晩中天空にある。⇔

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普及版 字通 「衝」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

[字音] ショウ
[字訓] つく・あたる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は重(じゆう)。重に踵・鍾(しよう)の声がある。〔説文〕二下に「なり」とあり、(童)に従う形に作る。の声義をとる字とするものであろう。〔詩、大雅、皇矣〕にみえる「臨衝」は戦車。「衝(つ)く」「衝(むか)う」の訓がある。

[訓義]
1. つく、つきあたる、あたる。
2. むかう、ゆく。
3. めぐる、うごく。
4. みち。

[古辞書の訓]
名義抄〕衝 マジハル・ツク・チマタ・ヨコタフ・オコリ・ユク・ムカフ・シル・フム・オリ・ツイカサヌ・キル・ヒトシ・ウルハシ・マトヒス・カサヌ

[語系]
衝thjiong、鍾()tjiong、また舂sjiong、deongはみな声近く、勢いよく衝撃を加える意の字。もとは擬声語であろう。

[熟語]
衝位衝軼・衝雨・衝衝陥・衝機衝境・衝軍衝激・衝劇・衝撃・衝決・衝口衝刷・衝車衝襲・衝術衝霄衝衝・衝心・衝打・衝対・衝替衝漲・衝天・衝斗衝途衝盪・衝動・衝・衝突・衝波・衝犯衝繁・衝・衝風衝鋒衝冒・衝夜・衝・衝要・衝隆・衝流衝櫓
[下接語]
街衝・緩衝・距衝・撃衝・折衝・直衝・繁衝・衝・要衝・隆衝・臨衝・路衝

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改訂新版 世界大百科事典 「衝」の意味・わかりやすい解説

衝 (しょう)
opposition

惑星,小惑星,すい星,月が,地球から見て太陽と正反対の方向に見えるときのことで,正確には太陽とそれらの天体の視黄経の差が180°になった瞬間である。内惑星には衝は存在しない。外惑星や小惑星などは,一般に衝の付近で地球にもっとも接近し,見かけの半径が最大となり,光度ももっとも明るくなる。したがって,衝のころは惑星の表面の観測や暗い小惑星の位置観測の好機である。なお,満月は月の衝にあたり,これを〈望〉という。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「衝」の意味・わかりやすい解説

衝【しょう】

惑星・小惑星・すい星・月などが,地球をはさんで太陽と一直線に並んだ状態,またその時刻。正確には,これらの天体の黄経と太陽の黄経との差が180°になること。内惑星に衝はない。外惑星は衝付近で最も地球に近づくので観測の適期。月の衝は満月で,これを〈望(ぼう)〉という。
→関連項目会合周期逆行合(天文)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「衝」の意味・わかりやすい解説


しょう

外惑星などが地球から見て太陽と正反対の方向にきたとき、詳しくは惑星の太陽との黄経の差が180度になったときをいう。内惑星は衝の位置にくることはない。外惑星は一般に衝のころ地球にもっとも接近し、また夕方、東天に昇って夜半に南中し、明け方西天に没する。そのため一晩中天空にあって、もっとも明るく、満月のように全面が輝いて見えるので観測に適している。

[村山定男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「衝」の意味・わかりやすい解説


しょう
opposition

太陽の黄経と,月,惑星,小惑星など他天体の黄経との差が 180°になること。簡単にいえば,ある惑星や衛星が地球からみて太陽と正反対の位置にくること。内惑星には衝はない。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【会合周期】より

…二つの惑星が合(ないし衝)から出発して,次の同じ合(ないし衝)になるまでの期間をいう。一つの惑星を地球にとった場合,正確にはもう一つの惑星と地球との会合周期というべきであるが,これを単に会合周期ということも多い。…

【太陽系】より


[内惑星と外惑星]
 内惑星と外惑星の区別は地球型と木星型のように惑星の実質的区別ではないが,地球から行われる惑星の観望には本質的である。地球から観測して惑星が太陽と同じ方向にくるときを合,反対方向にくるときを衝という。内惑星の場合には太陽のこちら側の合と向こう側の合がともに起こり,それぞれを内合,外合という(図2)。…

※「衝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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