ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
ヒメネス・デ・シスネロス
Jiménez de Cisneros, Francisco
[没]1517.11.8. ロア
スペインの政治家,フランシスコ修道会士。 1492年イサベル1世の聴罪師となったのを契機にスペインの政治に関係をもつようになった。 95年トレド大司教に就任。グラナダ王国征服後のムーア人に対する改宗強制を主張,その結果ムーア人の反乱 (1499~1500) を招いた。 99年タラベラ大司教,1507年には枢機卿となり,同時にカスティリア=レオンの大審問官となった。また精神の健康を失った女王フアナ・ラ・ロカの後見もつとめ,フアナの夫フェリペ1世 (美麗王)の死後,摂政をつとめた。フェルナンド2世 (カトリック王) のアフリカ遠征に際してはオラン征服に功を立てた (09) 。アルカラ大学を創立 (10) ,そこから最初の多国語対訳聖書を刊行した。 16年フェルナンド2世が没し,遺命で彼はカルロス1世 (神聖ローマ皇帝カルル5世 ) の摂政となり,首都をマドリードに移した。 17年カルロス1世が生育地ネーデルラントからスペインに移ると同時に罷免された。
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