葉緑体が適当な水素受容体存在下で,光照射によって酸素を発生する反応をいい,発生した酸素と当量の水素受容体が同時に還元される.この反応は,1939年,イギリスの生化学者R. Hillによって発見されたもので,細胞から分離した葉緑体で光合成活性を得た最初の実験であって,近代における光合成研究の出発点となった.ヒル反応の水素受容体として,シュウ酸鉄(Ⅲ),ベンゾキノン,ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム,2,6-ジクロロフェノールインドフェノール(DPIP),および生体中に含まれるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)が使用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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