ヘキサシアノ鉄酸カリウム(読み)ヘキサシアノてつにさんカリウム(英語表記)potassium hexacyanoferrate(III)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム
ヘキサシアノてつにさんカリウム
potassium hexacyanoferrate(II)

化学式 K4[Fe(CN)6] 。フェロシアン化カリウム黄血カリ,黄血塩ともいう。 1710年に初めてつくられた。古くは動物の血液,羽毛,角などを鉄屑と混ぜて炭酸カリウムと融解し,融成物を水で抽出してつくったが,現在では石炭ガス精製の際,青酸洗浄装置などに捕集されるシアン化水素から合成される。ふつう水和物で黄色の結晶。 100℃で水を失い,白色吸湿性の無水物を生じる。さらに熱すると窒素を放出して分解する。水に易溶。毒性はない。水溶液に Fe3+ 塩を加えると濃青色のベルリン青の沈殿が生じる。鉄,銅,銀,亜鉛など重金属の定性分析用試薬,シアン酸,シアン化カリウム製造の原料に用いられる。

ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム
ヘキサシアノてつさんさんカリウム
potassium hexacyanoferrate(III)

化学式 K3[Fe(CN)6] 。フェリシアン化カリウム赤血塩ともいう。ルビー赤色の結晶。比重 1.89。水に可溶,酸によって分解する。水溶液を放置しても徐々に分解する。光を避けて保存することが必要である。青写真紙の感光剤,写真用に主として使用。木材着色剤,エッチング液,メッキ酸化剤などとしても使われる。分析試薬としても重要である。

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