ピソニア(その他表記)Pisonia

改訂新版 世界大百科事典 「ピソニア」の意味・わかりやすい解説

ピソニア
Pisonia

オシロイバナ科の1属で,熱帯を中心に約50種ある。若芽食用にするものや,葉を観賞するものがある。和名オオクサボク。一般に栽培されている種はブルノニアナP.brunoniana Endl.で,特に斑入りのものが多く作出されている。葉は長楕円形で光沢があり,斑は白と黄白色で不規則に生じ,大理石に似た模様をなしている。葉は幹の頂部にややかたまってつく。花は淡紅色,帯緑色である。原産地はニュージーランドから南太平洋諸島繁殖挿木または取木により,鉢植えの用土はやや粘質がかった土が適する。夏は半日陰におき,冬は保温が必要である。

 葉を野菜として食用にするサラダノキP.alba Span.(英名lettuce tree)はマレーシアの海岸などにあるP.silvestris Teysm.et Br.の栽培品と考えられ,雌株が使われる。
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関連語 古里

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピソニア」の意味・わかりやすい解説

ピソニア
ぴそにあ
[学] Pisonia umbellifera Seem.

オシロイバナ科(APG分類:オシロイバナ科)の常緑高木。オーストラリアモーリシャス、ニュージーランド、小笠原(おがさわら)諸島などに分布し、和名をウドノキ、オオクサボクという。葉は節間の詰まった枝に密につき、長さ30センチメートル、幅10センチメートルの長楕円(ちょうだえん)形で、葉の外側が幅広い白から黄白色で、中央が濃緑と灰緑が不規則模様をなす園芸品種が観葉鉢物としてつくられる。栽培はゴム類に準じるが、寒さや乾燥にはより弱く、夏は半日陰で灌水(かんすい)を多くする。

[植村猶行 2021年2月17日]

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