改訂新版 世界大百科事典 「ウドノキ」の意味・わかりやすい解説
ウドノキ
Leea
旧世界熱帯域に約60種が分布するウドノキ科の属。林縁や川岸の湿地に多い。
単葉あるいは2~3回羽状分裂のウドに似た大きな複葉を有する草本状の低木,時には高さ5mをこえるが,茎には髄が発達する。茎頂部の葉に対生して多数の花が散房状に集まった花序をつけるが,花は小さく黄緑色,黄色あるいは赤色。実は時には直径1cmをこえる球形で大きな種子を入れた液果である。オオウドノキL.indica(Burmit.)Merr.のように若芽や多肉質の果実を食べることもあるが,もっぱら葉や色づいた花序や実を観賞するため温室で栽植される。木本植物であるが,木材に利用されることはほとんどない。
ウドノキ科Leeaceaeはブドウ科に近縁で,同一科とされることもある。しかし他物にまつわりつくための巻ひげを持たない樹木的な生活形を有し,別科として扱うことが多い。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報