改訂新版 世界大百科事典 「フェデルブ」の意味・わかりやすい解説
フェデルブ
Louis Léon César Faidherbe
生没年:1818-89
19世紀後半のアフリカ大陸分割期のフランス植民地行政官。1854年,フランス領植民地セネガルの総督に任命されて以降,それまでセネガル沿岸部にとどまっていたフランスの権益を内陸部にまで拡張することに力を注ぎ,60年にはフランスの支配権はニジェール河岸にまで到達した。そして65年,彼が総督を辞任するころまでには,のちのフランス領西アフリカの礎となる広大な地域に対するフランスの支配権が確立していた。その後,アルジェリア植民地軍に配属されたのち,70年,普仏戦争に北方軍司令官として参戦した。退役後,国民議会議員,上院議員を歴任した。《フランス領スーダン》などアフリカ関係の著書も多い。
執筆者:原口 武彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報