メヘレン(英語表記)Mechelen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メヘレン」の意味・わかりやすい解説

メヘレン
Mechelen

フランス語ではマリーヌ Malines。ベルギー北部,アントウェルペン州のダイレ川沿岸低地にある商工業都市。アントウェルペンとブリュッセルとのほぼ中間に位置する。ベルギー唯一の大司教座がおかれている。 11世紀リエージュ司教公領になってから,ラシャと魚の取引を行う港町として発達。フランドル伯領,ブルゴーニュ公領を経て 15世紀末にはハプスブルク家の勢力下でネーデルラントの最高裁判所がおかれ,16世紀初頭に総督となったオーストリアのマルガレータ治世下でネーデルラントの首都となり,文化の中心地として最盛期を迎えた。のち,首都はブリュッセルに移転したが,1559年大司教座がおかれた。鉄道,道路交通の要地で,17~18世紀に栄えたレース細工をはじめ,タペストリー,家具製造などの在来工業が発達。ビール,機械,鉄道車両関連工業,セメント建材,化学,食品加工業などの近代工業も立地。周辺部は国内第1の園芸地帯で,西ヨーロッパ有数の野菜市場がある。ファンダイクルーベンスなどフランドル派巨匠たちの祭壇画のあるシント・ロンバウト大聖堂 (13~15世紀) ,ルネサンス様式のマルガレータの宮殿 (1796以後裁判所) ,市庁舎 (1526) などの歴史的建築物が残存する。人口7万 5352 (1991推計) 。

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