フェリクス2世(読み)フェリクスにせい(その他表記)Felix II

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェリクス2世」の意味・わかりやすい解説

フェリクス2世
フェリクスにせい
Felix II

[生]?
[没]365.11.22. ポルト
教皇リベリウス在位 352~366)の対立教皇(在位 355~365)。元は助祭長(→助祭)であったが,ローマ皇帝コンスタンチウス2世(在位 337~361)がリベリウスを追放したのち,正規の手続きを経ず教皇座についた。357年5月,リベリウスを慕っていたローマの信者らが,真の教皇を呼び戻すようコンスタンチウス2世に要求した。皇帝は 2人がともに教皇座につくことを画策したが,リベリウスが復位し,フェリクス2世はローマ近郊のポルトに退くことになった。生前はローマ市民の怒りを買ったが,死後,よい教皇と評価された。偽造文書に基づいたローマ殉教者名簿の誤りにより聖人とされてきたが,今日では "Annuario Pontificio"に対立教皇と記載されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android