グレゴリオ暦(読み)グレゴリオレキ(その他表記)Gregorian calendar

デジタル大辞泉 「グレゴリオ暦」の意味・読み・例文・類語

グレゴリオ‐れき【グレゴリオ暦】

グレゴリウス13世が、1582年にユリウス暦を改良して制定した暦。現行太陽暦

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精選版 日本国語大辞典 「グレゴリオ暦」の意味・読み・例文・類語

グレゴリオ‐れき【グレゴリオ暦】

  1. 〘 名詞 〙 一五八二年、ローマ教皇グレゴリウス一三世が制定した太陽暦。西暦年数が四の倍数のときは閏(うるう)年(ただし一〇〇の倍数の年で一〇〇で割った商が四の倍数でないときは閏年としない)とし、他は平年とするもの。今日、世界の標準的な暦法で、日本では明治六年(一八七三)から実施した。

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改訂新版 世界大百科事典 「グレゴリオ暦」の意味・わかりやすい解説

グレゴリオ暦 (グレゴリオれき)
Gregorian calendar

現在,世界中のほとんどの国で用いられている太陽暦。西暦年数が4で割り切れる年を閏(うるう)年とするが,100で割り切れる年は100で割った商をさらに4で割って割り切れる年のみを閏年とするというものである。400年につき,1年365日の平年が303年,1年366日の閏年が97年であるから,1年の平均日数は365.2425日となる。1年の長さ(1太陽年)は,理論的には,

 365.24219878日-6.14日×10⁻6×T

で与えられる。Tの単位は100年と考えて差し支えない。この式は1900年1月0日に基づいているが,1年の長さが少しずつ短くなるため,グレゴリオ暦との差は少しずつ大きくなる。その差は,1900年から2621年で1日をこえ,1万年では6日ばかり違ってくる計算になる。

 この暦法は,ローマ教皇グレゴリウス13世復活祭の季節を一定の範囲におさめることを目的にして定めたのでグレゴリオ暦の名がある。復活祭は春分後に起こる最初の満月のあとの日曜日で,3月21日を春分の日とすると325年のニカエア公会議で決められていたが,当時施行されていたユリウス暦では16世紀中ごろに春分は3月11日ころになっていた。そこで1577年グレゴリウス13世は改暦委員会を組織した。改暦案を立案したのはペルージア大学の医学講師アロイシウス・リリウスAloisius Lilius(イタリア名Luigi Lilio。1510ころ-76ころ)とその弟アントニウスである。委員会はこの案を承認し,各地の領主,大司教,大学などの意見を求め改暦案を決定した。82年2月24日に教皇の教書によって改暦案は発表され,〈ユリウス暦の1582年10月4日(木曜)の翌日をグレゴリオ暦の10月15日(金曜)とする〉ことによって実施された。しかし複雑な国際関係,宗教的な対立もあって,全世界的に施行されるまでには300年以上かかっている。同時に実施したのはイタリア,ポーランドポルトガルスペインくらいで,少し遅れて同年のうちにフランス,ベルギーが,そしてドイツやネーデルラントではカトリックの州は82年から83年にかけて実施したが,プロテスタントの州は1700-01年に行った。ハンガリーは1587年,スイスは州によって違い1583年から1912年までの幅があった。チェコスロバキアは1584年,デンマークは1700年,イギリスは52年,スウェーデンフィンランドは53年で,日本は1873年,中国は1912年,ソ連は18年,ギリシアルーマニアは24年,トルコは27年に実施した。日本のように1月1日から実施した国は少なく,ほとんどの国は年の途中から改暦を行っている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレゴリオ暦」の意味・わかりやすい解説

グレゴリオ暦
ぐれごりおれき

太陽暦法の一種。1582年10月、ローマ法王グレゴリウス13世により施行された。当時使用されていたユリウス暦は1年の平均日数が365.25日であったため、この暦法に従って閏(うるう)日を置いていると、100年間で18時間、1000年で8日近く、実際の季節と相違をきたし、真の春分は暦上の春分よりそれだけ早くなる。16世紀終わりころになると、325年にニカイア宗教会議で定められた3月21日の春分は3月11日となり、10日も早まった状態となった。ときのローマ法王グレゴリウス13世は、1582年の春分が3月21日となるように10日間を省いて10月4日の次の日を15日とし、将来も相違がおきないようにするため、4年に一度閏年を置いたそれまでの置閏(ちじゅん)法を改め、「西暦紀元年数が4で割り切れる年を閏年とする。ただし100で割り切れる年のうち4で割り切れない年は平年とする。閏日は2月28日の次の日に置く」とした。これをグレゴリオ暦という。この置閏法によると1年の平均日数は
 (365日×303+366日×97)/400=365.2425日となり、100年に0.03日、1万年で3日の違いである。1万年で3日の狂いは実際問題として日常生活の妨げとなるほどのものではない。この改暦にはクラビウスが大いに寄与している。グレゴリオ暦は置閏法が簡明であり、しかもその誤差も小さいので、今日世界の各国で採用している。

[渡辺敏夫]

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百科事典マイペディア 「グレゴリオ暦」の意味・わかりやすい解説

グレゴリオ暦【グレゴリオれき】

現行の太陽暦。4で割り切れる西暦年数を,100で割り切れてその商が4で割り切れない場合を除いて閏(うるう)年とする。ローマ教皇グレゴリウス13世が1582年10月4日の翌日を10月15日として,これより実施,新教諸国では採用が遅れた(改暦)。日本では明治5年12月2日の翌日を明治6年(1873年)1月1日とし,これより実施された。
→関連項目閏年授時暦新暦太陽暦中国暦二月革命(ロシア)ユリウス日ユリウス暦

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレゴリオ暦」の意味・わかりやすい解説

グレゴリオ暦
グレゴリオれき
Gregorian calendar

325年ニケーアの宗教会議で,復活祭の日を決定する必要上,春分の日を毎年3月 21日と定めた。しかしユリウス暦を使っていたので,1582年には実際の春分の日は3月 11日になっていた。そこでニケーアの宗教会議の決議を守るため,ローマ教皇グレゴリウス 13世は 82年の 10月5日から 14日までの 10日間を暦日から除き,将来再びこのようなことが起らないために次の置閏法を制定した。すなわち,西暦年数が4の倍数になる年を閏年とする。ただし 100の倍数の場合,これを 100で除した商が4の倍数でない年は平年とする。たとえば 1700年,1800年,1900年は平年である。この改正によって 400年に3日の閏日が除かれ,1年の平均日数は 365.2425日となった。これをグレゴリオ暦といい,現在にいたるまでなお続けられている。

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占い用語集 「グレゴリオ暦」の解説

グレゴリオ暦

太陽暦の一つ。現在、世界の多くの国で採用されている暦法。1582年ローマ教皇グレゴリウス13世によって導入された。グレゴリウス暦とも呼ぶ。ユリウス暦同様に、約4年に一度の閏年を設けて調整している。グレゴリオ暦における1年は365.2425日で、ユリウス暦に比べ太陽の運行とのずれが、大幅に縮められた。日本では1873(明治6)年1月1日に太陰太陽暦からグレゴリオ暦に改暦された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「グレゴリオ暦」の解説

グレゴリオ暦
グレゴリオれき

世界の大半の国で用いられている暦法で,一般に太陽暦とはこの暦法をさす。1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって,ユリウス暦を修正して公布された。日本では1873年(明治6)から実施。1年を365.2425日とし,そのために4年に1回閏日をおき,400年間に3回それを省略する。すなわち西暦が100で割り切れる年を平年とするが,400の倍数の年は閏年とする。

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世界大百科事典(旧版)内のグレゴリオ暦の言及

【グレゴリウス[13世]】より

…しかし,もっとも知られる業績は,すでに紀元前から用いられていたユリウス暦を改正したことで,82年10月4日(木)の翌日を10月15日(金)とすることによって週の周期を崩すことなく10日を省き,以後はユリウス暦のように紀元年数が4で割り切れる年をみな閏(うるう)年にするのではなく,100で割り切れる年は上2桁が4で割り切れる年だけを閏年にすることにした。これがグレゴリオ暦と呼ばれる,現在世界中でもっとも広く用いられている暦である。また彼は85年にローマに到着した日本からの天正遣欧使節を歓迎した教皇でもある。…

【暦】より

… 私たち人間は季節の周期である1太陽年に準拠して生活するのが自然であり,太陽暦を用いることが望ましい。現に世界で共通して使われているのはグレゴリオ暦という名の太陽暦である。もっとも古い太陽暦として知られているエジプト暦では1年の長さを365日としていた。…

※「グレゴリオ暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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