フェルゼンシュタイン

百科事典マイペディア 「フェルゼンシュタイン」の意味・わかりやすい解説

フェルゼンシュタイン

オーストリアオペラ・舞台演出家。ウィーン生れ。バーゼルフライブルクで舞台演出家として活動を始め,1926年初のオペラ演出を手がける。1947年ベルリン東ベルリン)にコーミッシェ・オーパーを創設し,監督に就任。オペラの演劇的要素を重んじた〈ムジークテアター(音楽劇)〉を提唱し,オペラ,オペレッタ,ミュージカルの演出でW.ワーグナーに匹敵する名声を獲得。のちのオペラ演出家に大きな影響を与えた。G.フリードリヒ〔1930-2000〕やH.クプファー〔1935-〕など,門下からは多くの優れたオペラ演出家が巣立っている。
→関連項目オペラ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェルゼンシュタイン」の意味・わかりやすい解説

フェルゼンシュタイン
ふぇるぜんしゅたいん
Walter Felsenstein
(1901―1975)

ドイツの演出家。ウィーン生まれ。第二次世界大戦前はオッフェンバック再評価でオペラ界に衝撃を与えたが、1947年「オペラにふたたび劇的生命を与えるときがきた」と、東ベルリンにコーミッシュ・オーパーを創設、オペラのなかのドラマの部分に光をあて、「ムジークテアター(音楽劇)論」を展開した。それは総譜根本に深い解釈を行って音楽と演劇の統一を図るもので、人間の真実が観客にすなおに伝わる演劇的な、力強い同時代のオペラの創造であり、その考えは、70年代以降ヨーロッパ・オペラ界に大きな影響を与え、オペラに「演出の時代」をつくった。ベルリンで死去

[寺崎裕則]

『寺崎裕則著『フェルゼンシュタインの芸術』(1978・音楽之友社)』

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