合唱や合奏の各声部や各楽器の譜表(パート譜)のすべてを、小節線を縦にそろえ、一括して表した総合譜表のこと。スコアともいう。総譜を見れば、各声部の進行や全体的な和声の推移が理解しやすいため、指揮者はかならずこれを用いる。合唱の総譜では、上から順にソプラノ、アルト、テノール、バスが置かれる。合奏(とくに管弦楽曲)の総譜では、例外も多数あるが、通常、上から木管楽器、金管楽器、打楽器、鍵盤(けんばん)楽器、弦楽器のセクション順に並べられる。各セクション内では、高い音域順に置かれるのが普通である。また通奏低音をもつ楽曲の場合は、通奏低音が最下段に置かれる。なお、手軽に見るために縮小印刷したものを「ポケット・スコア」「ミニチュア・スコア」という。
[黒坂俊昭]
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…合奏,合唱あるいは重唱(重奏)などの多声部楽曲における各声部(パート)の譜表を上下に並べて記した楽譜。パルティトゥアpartitur,総譜ともよばれる。これに対して各声部を独立して記した楽譜が〈パート譜〉あるいは〈合唱本〉である。…
…反復記号も複縦線の一種である。二つ以上の譜表を連結括弧と長い縦線で上下にそろえてまとめたものを連合譜表ということがあるが,これには大譜表やスコア(総譜)などが含まれる。大譜表はト音譜表とヘ音譜表の二つからなり,とくに鍵盤楽器のための音楽では最も基本的な記譜法である。…
※「総譜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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