改訂新版 世界大百科事典 「フランクファーター」の意味・わかりやすい解説
フランクファーター
Felix Frankfurter
生没年:1882-1965
アメリカの裁判官,法学者。オーストリア生れ。子どものときに両親とともにアメリカに移住し,ニューヨーク市に住む。ハーバード大学のロー・スクールを卒業した後,一時,合衆国の司法省に入り,1914年に母校の教授となり,当時アメリカでは新しい分野であった行政法学の発展に寄与した。当時は進歩派として知られ,F.D.ローズベルトが大統領になると,そのブレーン・トラストの一員として活躍した。合衆国最高裁判所裁判官(1939-62)としては,ほとんどの問題について立法部の判断を尊重する司法消極主義のチャンピオンであった。選挙区割りの不平等をめぐる問題について,46年の判決で,〈裁判所はこのような政治のいばらの中に足を踏み入れるべきではない〉として,これを違憲立法審査権の及ぶ範囲外としたのは,その一例である。
執筆者:田中 英夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報