フランス商法典(読み)フランスしょうほうてん(その他表記)Code de commerce

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランス商法典」の意味・わかりやすい解説

フランス商法典
フランスしょうほうてん
Code de commerce

フランスで 1807年に成立し,翌 1808年1月1日から施行された商法典。ナポレオン商法典ともいう。ルイ14世時代の商事条例 (1673) と海事条例 (1681) がその先駆をなしている。フランス革命当時の自由主義思想の影響から,それまでの商法が商人階級の法であったのに対し,商行為概念を基礎として立法された点,また統一的な大法典であった点で,この法典が近代的商法典の模範として果たした歴史的意義は大きく,諸国の立法に多大の影響を与えた。第1編「商一般」,第2編「海商」,第3編「破産」,第4編「商事裁判権」の 4編 648条からなっているが,破産および商事裁判権の規定を含んでいる点で,純粋の商私法立法とはいえない。そのように,前近代的な制度を数多く受け継いだこの商法典は,法典としての形式は保っているものの,その内容は大幅に改正され,おびただしい特別法が法典外で補充変更されてきた。こうした脱法典化に対して,統一的な法典化作業が行なわれた結果,2000年に全 9編から構成される「商法典法律の部」が施行され,その後の改正を経て今日にいたる。

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世界大百科事典(旧版)内のフランス商法典の言及

【商法】より

…しだいに従来の階級的法から商事法として一般化する傾向を生じ,その内容もそれまでの行政法的規定から私法的規定が重要性をもつに至った。しかし,真に近代的商法の名に価する立法はナポレオン制定のフランス商法典(1807公布)である。フランス革命の平等思想に基づき,ナポレオンは国民の全階層を包含する民法典とともにこれまでの商人階級の法の立場を脱却した商に関する特別の法典としての商法典を制定した点に画期的意義を有する。…

※「フランス商法典」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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