フルネーロン(読み)ふるねーろん(その他表記)Benoît Fourneyron

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フルネーロン」の意味・わかりやすい解説

フルネーロン
ふるねーろん
Benoît Fourneyron
(1802―1867)

フランスの機械技術者水力タービンの創始者。サンテティエンヌに生まれ、同地の鉱山学校でビュルダンに学んだ。17歳からクレーゾーの鉱山に働き、石油の試掘や鉄道の敷設、イギリスだけで行われていたスズめっきの工場創設に携わった。この間に機械工場用の原動機の必要を痛感し、1823年水力タービン研究を開始、1827年6馬力、効率80%の小型タービンをつくった。この年(1827)、国民工業奨励協会は「製粉所や製造工場で大規模に十分利用できる水力タービンの達成」に対する賞金の一部を、理論的研究を行ったビュルダンに与え、懸賞期間を1832年まで延長した。フルネーロンはフレイザンの鍛冶(かじ)工場主から経済的援助を受け、タービン設計に没頭、1832年50馬力の輻流(ふくりゅう)タービンを完成させ6000フランの賞金を手にした。1855年には外向き輻流タービンの特許を取得、水力タービン実用化の基礎を築いた。

[高橋智子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「フルネーロン」の意味・わかりやすい解説

フルネーロン

フランスの技術者。測量士の子。鉱山学校を出て,鉱山で働く。C.ビュルダンやオイラー水力学に関する研究をもとに,1832年反動水車を完成。さらに改良を重ね,実用原動機としての水タービン発達の基礎を築いた。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android