翻訳|hydraulics
流体や気体のように自由に変形する物質を固体と対比して流体というが,流体が流れるときの圧力変化や周囲の物体に及ぼす力を調べる学問は,水力学,流体力学,空気力学,レオロジーなど,さまざまな名まえで呼ばれる。このうち,空気力学aerodynamicsは高速の気体の流れを,レオロジーはコロイドや高分子のように複雑な構造をもつ液体の流れを主として取り扱い,独立した分野を形づくっている。
一方,水力学と流体力学は,流れの問題を幅広く取り上げ,その間に一線を画すことはむずかしい。流れの研究は,歴史的にみて水を対象として始まったため,水力学の名がつけられているが,その結果は圧縮性の影響が少ない低速の気体にも適用できる。水力学の特徴は,なるべく単純な理論を骨組みとし,理論が及ばぬところを実験結果を整理して得られる各種実験係数によって補完し,実際の流れを精度よく予測する手段を提供することにある。これに対して流体力学は,流れの基礎方程式(連続の式や運動方程式)に基づいて,純理論的に流れを求めることに重点が置かれる。もっとも単純な管路の流れの圧力降下を例にとると,実験結果を管摩擦係数の形に整理し,内部の流れを解くことなく圧力損失が容易に予測できるようにする方法は,典型的な水力学的アプローチといえる。なお,水理学もほぼ同様の基盤に立脚しているが,主として土木工事に関連する現象の解明や設計への応用を目的としている。
執筆者:大橋 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
機械工学の一分野で、水や空気などの流体の運動に関する力学的な諸問題を扱う学問。「すいりょくがく」ともいう。送水管やガス輸送管などの設計や、ポンプ、タービンなどの流体機械の設計などに関係する事項を対象とするが、内容的には水理学に含まれる部分が多い。
[鮏川 登]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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