フレア星（読み）フレアセイ（その他表記）flare star

デジタル大辞泉

フレア‐せい【フレア星】

⇒閃光星せんこうせい

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

フレア星 (フレアせい)
flare star

せん光星ともいう。変光星の一種で，不規則かつ突発的に増光し，再び短時間のうちに減光して，通常の明るさに戻るもの。1950年代に新しい種類の変光星として認められた。典型はくじら座UV星で，この種類の多くはM型の輝線星に属する。増光は紫外域で顕著で，6等級以上にも及ぶことがある。始まりから終りまでが数十秒間の小規模なものから，数時間に及ぶ大規模なものまでがある。こうしたフレア現象の原因は，太陽面上で起こるフレア現象と似た，恒星表面での電磁流体力学的な不安定性によるものと考えられているが，そのエネルギー規模は，太陽のものの100倍以上にも及ぶとされている。これらの星は，太陽と似たコロナや黒点をもっていて，星表面の大きな割合が，活動領域で占められているらしい。M型フレア星の多くは連星で，自転速度も早く，磁力線を生み出すダイナモ機構の働きが盛んであると考えられている。1970年代には，りょうけん座RS星に代表される新しい種類のフレア星がつけ加えられた。これはK型星とG型星とからなる近接連星で，可視域での増光は，くじら座UV星型のフレア星よりも少ないが，X線や電波域では，後者よりも強いフレア現象を示す。
執筆者：小平 桂一

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

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フレア星【フレアせい】

せん（閃）光星とも。変光星の一種で，不規則・突発的に明るさを増し，その後短時間のうちに元の明るさに戻るものをいう。太陽で生じるフレアと類似の機構によると考えられている。くじら座UV星，りょうけん座RS星など。

出典　株式会社平凡社

世界大百科事典（旧版）内のフレア星の言及

【変光星】より

…脈動変光星は，星自身が膨張と収縮を繰り返すために明るさが変化する星である。物理的変光星としてはそのほかに，新星に代表される突然明るさを大きく変える新星型変光星(激変星ともいう)，新星より規模が大きく星全体の大爆発である超新星，太陽フレア(太陽面爆発現象)を大規模にしたようなフレアが観測されているフレア星などがある。また星間雲の中から生まれたばかりの星おうし座T型星は，誕生の際の余波で不規則な変光をする物理的変光星である。…

※「フレア星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」