フロリジン

化学辞典 第2版 「フロリジン」の解説

フロリジン
フロリジン
phlorizin

1-[2-(β-D-glucopyranosyloxy)-4,6-dihydroxyphenyl]-3-(4-hydroxyphenyl)-1-propanone.C21H24O10(436.42).リンゴ,ナシ,アンズ,サクラなどのバラ科の樹皮,および根皮などに含まれている配糖体無機酸の薄い水溶液で加水分解すると,D-グルコースアグリコンのフロレチンとを生じる.二水和物は融点110 ℃.-52°(エタノール).動物に対する人為的糖尿病発現赤血球でのグルコースの能動輸送系の阻害剤に用いられる.[CAS 60-81-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フロリジン」の意味・わかりやすい解説

フロリジン
phlorizin; phloridzin

リンゴ,ナシ,サクラなどのバラ科の樹木から得られる配糖体。名称ギリシア語のフロイオス (樹皮) とリザ (根) にちなみ,こうした部位から得られる。糖はグルコースで,糖を除いた部分をフロレチンと呼ぶ。細胞とか腸管からとかの糖吸収を妨げる作用が有名で,実験によく利用される。フロリジンを服用させると,腎臓での原尿からのグルコース再吸収が妨げられて,いわゆるフロリジン糖尿を生じる。

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