ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブエノスアイレス州」の意味・わかりやすい解説 ブエノスアイレス〔州〕ブエノスアイレスBuenos Aires アルゼンチン中部の州。州都ラプラタ。同国最大の州で,パラナ川およびラプラタ川の南に広がり,東は大西洋に面する。ラプラタ川にのぞむ首都ブエノスアイレスは州に属さない特別行政区をなす。パンパスと呼ばれる広大な温帯草原の中心部を占め,南部に低い山脈が連なるほかは全域が低平な沖積平野から成る。サラド川のほか多数の小河川が流れるが,排水が悪いため湿地帯が多く,雨季には冠水地域が広がる。夏季高温,冬季温暖で,年降水量は 500~1000mm。スペイン植民地時代にはほとんど開発されなかったが,19世紀末,独立後の政治的混乱が安定するとともに,ヨーロッパからの移住者が大量に入植したこともあって,牧牛と農業 (コムギ,トウモロコシ,アルファルファ) が急速に発展,国内のほかヨーロッパ方面にも出荷するまでになった。現在同国第1の牧畜地帯で,州面積の半分以上が放牧地として利用されているが,近年耕地面積も次第に増加してきている。首都周辺では近郊農業も盛ん。工業は第2次世界大戦中から発達しはじめ,現在首都とその周辺地域のほか,ラプラタ,マルデルプラタ,バイアブランカなどの大都市を中心に各種工業が立地している。鉄道・道路網もこれら大都市を中心にきわめてよく発達している。面積 30万 7571km2。人口 1258万 2321 (1991推計) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by