ブラキカム(その他表記)Swan River daisy
Brachycome iberidifolia Benth.

改訂新版 世界大百科事典 「ブラキカム」の意味・わかりやすい解説

ブラキカム
Swan River daisy
Brachycome iberidifolia Benth.

キク科一年草。ブラキカム属Brachycomeの植物はオーストラリアに50種ほどが分布しているが,本種はその中でも径2cmの頭花が青,紫,白,ピンクなどに咲き,コスモスに似た細長い羽状複葉をつけるかれんな植物である。和名ヒメコスモス。花は4~5月に咲き,形はシネラリアに似て小さく,日光にあたると平開するが,曇雨天には花弁が外側に反転する。

 種まきは10月,小鉢にひとつまみの種をまき,1鉢に数本を育て,根回りをみて鉢替えを行い,フレームや軒下で凍らぬように越冬させる。春につり鉢としたり,花壇プランターに植える。用土は赤玉土にパーライトをまぜて排水・通気よく調合する。越冬中温度が高く灌水が多いと軟弱になるから注意する。初夏のころ結実した後,高温がつづくようになると株は枯れるので,熟した種を摘みとっておく。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラキカム」の意味・わかりやすい解説

ブラキカム
ぶらきかむ
[学] Brachyscome iberidifolia Benth.

キク科(APG分類:キク科)の半耐冬性一年草。オーストラリア原産。茎は直立性で高さ20~40センチメートル、散房状に分枝する。葉は互生し、羽状葉で裂片は細い線状。葉がコスモスに似て小さいので、ヒメコスモスの名があり、またヒメヨメナ、ブラキスコメともいう。シネラリアに似た頭状花を多数つける。舌状花は青、青紫色で美しく、基部に白色斑紋(はんもん)がある。中心花は黒色。園芸種には白色や紅紫色の花もある。花壇、鉢植え用として観賞する。秋播(ま)きした苗をフレームで越冬させ、春に花壇や仕上げ鉢に植える。

[山口美智子 2022年4月19日]

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