銀河系内にある星間物質中の固体微粒子(ダストあるいは塵(ちり)とよぶ)が、近くの恒星の光を反射および散乱することにより光って見える星雲。青い光の方が赤い光より散乱されやすいため、反射星雲は青く見えるが、スペクトル線はそれを照らす恒星と同じものが見られる。反射星雲の光は偏光していることが多い。これは、固体微粒子が星間磁場の影響で向きがそろって存在するからで、逆に、偏光の向きを調べて星間磁場の構造を知ることができる。有名な反射星雲はプレヤデス星団を包み込むように広がったもので、星々の近くでは、刷毛(はけ)で掃いたような模様が見える。これは、星団ができるときに星にならずに残った星間物質が、生まれたばかりの星々の光を反射・散乱しているものである。近年、ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡などの高分解能を生かして、誕生直前のTタウリ型星や原始星のまわりの反射星雲も多数観測されている。
[岡村定矩]
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…星雲のうちで,不規則な形で明るく輝いているものをいう。その中にはガスが高温度星の紫外光をうけて電離し発光している輝線星雲(発光星雲ともいう)や,星間微粒子が星の光を反射して輝く反射星雲などがある。超新星の爆発で飛び散ったガスの雲をふくめることもある。…
…第1は星間ガスが電離して輝線を発するもので輝線星雲といい,またみずから光を発するので発光星雲,あるいは星間空間の気体であるからガス状星雲ともいう。第2は星間固体微粒子が近傍の恒星の光を反射散乱して輝いているもので反射星雲という。第3は星間固体微粒子の濃密な部分が一般星野の光を覆い隠して暗黒星雲として見える。…
※「反射星雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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