最新 地学事典 「プレート内玄武岩」の解説
プレートないげんぶがん
プレート内玄武岩
within plate basalt
現在の地球上の主なマグマの活動は,プレートがつくられる中央海嶺,プレートが消滅する島弧や活動的な大陸辺縁部,およびプレート内の3地域のものに大別され,このうち,プレート内の玄武岩をプレート内玄武岩と呼び,WPBと略称。主なものとして,海洋島火山,大陸地域での台地玄武岩,大陸性リフトの火山活動,大陸地域のK2Oに富む火山岩をあげることができる。プレート内で形成される玄武岩は,プレート内ソレアイト(within plate tholeiite;WPT)とプレート内アルカリ玄武岩(within plate alkali basalt;WPA)に分けられる。WPBの地球化学的特徴は,中央海嶺玄武岩(MORB)に比べて不適合元素に富むことであり,WPTと島弧性ソレアイト(IAT)は,K, Rb, SrなどのLIL元素濃度では区別できないことが多いが,一般に,IATはWPTよりもTa, Nb, Zr, HfなどのHFS元素に乏しいという特徴がみられる。また,スパイダーダイヤグラムにおいて,IATはHFS元素が負の異常を示すが,WPTはこのようなパターンを示さない。WPAはアルカリかんらん石玄武岩からネフェリナイトやベイサナイトなどの強アルカリ玄武岩までの幅広い組成の玄武岩からなり,WPTよりもさらに不適合元素に富むことで特徴づけられる。同位体組成的には,WPBはMORBよりも大きい87Sr/86Sr値と小さい143Nd/144Nd値を有しているが,WPBと島弧の玄武岩との区別は明瞭ではない。WPTは海洋島やインドのデカン高原(古第三紀初期)および米国北西部のコロンビア河台地(中新世)などに典型的に出現する。WPAのうちアルカリかんらん石玄武岩は海洋島に普通に出現する。強アルカリ玄武岩は海洋島にも少量出現するが,中国東北部などや東アフリカリフト帯などに典型的に出現する。強アルカリ玄武岩に伴って,しばしば,カーボナタイトやキンバーライトが出現する。
執筆者:周藤 賢治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

