アメリカ合衆国の雇用促進局Works Progress Administrationの略称。ニューディール政策の一環として1935年5月に設立された。連邦政府の失業救済機関であるが,従来の失業対策が救済支出に力点がおかれていたのに対し,雇用の促進を直接意図したところに特色があった。空港や道路の建設など,景気刺激策として重要な役割を果たしたが,さらに各種の学術・芸術・演劇関係のプロジェクトを企画して注目を集めた。
執筆者:新川 健三郎 とりわけ美術関係では,ニューディール政策下で四つの美術家救済計画がたてられた。そのうちWPAのもとで1935年から43年まで遂行された連邦美術計画Federal Art Project(略称FAP)は,WPA設立に先立ち1933年12月から6ヵ月間実施された公共美術計画Public Works of Art Project(略称PWAP)とともに,最も成果を挙げている。両者とも,仕事を求める美術家を動員して全国の公共的な場所に壁画や彫刻を作らせるというもので,後者はそのほかに美術教育なども行った。その結果,美術の未曾有の普及がみられたうえ,美術家と社会との緊密な連帯意識が生まれた。
→ニューディール
執筆者:桑原 住雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…アメリカン・シーン・ペインティング)。こうしたナショナリズム的傾向は,大恐慌(1929)後実施されたニューディールの一環であるWPA(事業促進局)の美術計画(公共建造物の壁画制作促進など)に流れこんでいった。またリトアニア出身のベン・シャーンらの社会派,アルメニア出身のA.ゴーキーらの前衛的傾向も存在した。…
※「WPA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...