日本大百科全書(ニッポニカ) 「WPA」の意味・わかりやすい解説
WPA
だぶりゅーぴーえー
無線LAN(ラン)のセキュリティ規格。無線LAN製品の普及と相互接続性検証のための業界団体、Wi-Fi Alliance(ワイファイアライアンス)が提唱したもの。Wi-Fi protected accessの略。
初期に利用されていた無線LANのセキュリティ規格であるWEP(ウェップ)に脆弱(ぜいじゃく)性がみつかったため、その後継規格として開発された。WPAを改良した規格としてWPA2があり、2015年時点ではセキュリティ規格の主流となっている。WPAやWPA2で採用されている暗号化アルゴリズムに、TKIP(ティーキップ)とAESがある。いずれも一定時間ごとに暗号鍵(かぎ)を変更する方式を採用しているが、TKIPよりもAESがより強固な暗号方式とされる。WPAではTKIPが必須でAESの採用も可能であり、それぞれWPA-TKIP、WPA-AESと表すが、TKIPが主であるため、WPA=TKIPとみなす場合もある。一方、WPA2ではAESが使われ、一部でTKIPも採用できるようになっている。それぞれWPA2-TKIP、WPA2-AESと表す。これらのなかでもとくにWPA2-AESの安全性が高いとされる。
暗号鍵は通信中に自動変更されるが、最初のアクセスなどでは共通のIDやパスワードなどを入力して接続する必要がある。これをPSK(プリ・シェアード・キー)という。WPAやWPA2を利用するには必須であるため、WPAやWPA2をWPA-PSKやWPA2-PSKと表すこともある。
[編集部]