プロセスカラー(読み)ぷろせすからー(その他表記)process color

デジタル大辞泉 「プロセスカラー」の意味・読み・例文・類語

プロセス‐カラー(process color)

カラー印刷をするときに基本となる、4種類のインクで表される色。青緑色(cyan)、赤紫色(magenta)、黄色(yellow)、黒(black)の4色(CMYK)の割合を変えることでさまざまな色を表現する。また、これら4色の組み合わせで表現できない金、銀、蛍光色などはスポットカラーという、あらかじめ個別に調合されたインクを用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロセスカラー」の意味・わかりやすい解説

プロセスカラー
ぷろせすからー
process color

シアンcyan(青緑色)、マゼンタmagenta(赤紫色)、イエローyellow(黄色)、ブラックblack(黒色)の4色の基本となるインキを使って原稿に忠実にフルカラーの印刷を図る工程や概念。この4色のインキをプロセスインキといい、「CMYK」と略してよばれることもある。

 プロセスカラーは、青、赤、黄の3原色を使った減法混色色素などの光を吸収する媒質の重ね合わせによる混色)といわれる原理で原稿の色を再現するが、この3色だけだと通常目にする濃い黒を再現することがむずかしい。そのため、墨インキも加え4色印刷となる。

 複写機やインクジェットプリンターの分野でも、この4色のトナーやインクを用いてフルカラーを再現するが、この場合もプロセスカラーとよばれるときがある。ただし、プロセストナーとかプロセスインクとはほとんどよばれない。プロセスインキで表現できない金・銀・蛍光色などの再現には、特色(スポットカラーspot color)インキが使われる。特色インキは、インキメーカーにより、中間色インキともよばれている。

 プロセスインキの掛け合わせによりフルカラーの印刷再現を図るが、インキの顔料の色特性などにより、原理的にはプロセスカラーですべての色を再現することはできない。とくに紫系や鮮やかな緑系、オレンジ系の印刷は再現がむずかしい。そのため、プロセスインキに加え、緑色のインキとオレンジ色のインキを使って、6色でフルカラーの再現を図る場合がある。6色が基本のインキであるため、6色プロセスカラーとよばれる場合もまれにある。

 また、プロセスカラーは基本的に4色のインキの掛け合わせのため、色数が増えるほど印刷物の色が濁る傾向がある。そのため、ロゴマークや旗などに用いられる企業色(コーポレートカラー)などは、4色の掛け合わせでなく、1色ですむ専用の特色インキが使われることが多い。企業色が入ったフルカラー印刷は、プロセスカラー+特色インキの5色印刷となる。

 なお、テレビやパソコンモニターなどの色は、赤(red)、緑(green)、青(blue)の発光によりフルカラーを再現しており、インキの減法混色に対し加法混色(色光の重ね合わせによる混色)とよばれる。光の三原色とよばれるこの赤、緑、青はRGBと略記される。RGBモードで作成した色を印刷する場合はCMYKモードに変換するが、CMYKはRGBより表現できる色の領域が狭いため、再現できない色はCMYKでの近似色に置き換えられ、変換前よりくすんだ色になることがある。

[中村 幹 2016年5月19日]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「プロセスカラー」の解説

プロセスカラー

カラー印刷で使われる色のこと。印刷物は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクの割合で色を表現する。金や銀、蛍光色など、この4色で表現できない色を特色という。

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