知恵蔵 「プロボクシングの階級」の解説
プロボクシングの階級
歴史的には、近代までボクシングには階級制はなく、無差別級で行われてきたが、19世紀後半になって、バンタム、ライト、ウェルター、ミドル、ヘビーの各階級でタイトルが争われるようになった。その後、オリンピックでボクシング競技が採用された(1904年)ことや、体格上の公平さを求めたことから、階級が細分化された。多くの階級を設けてチャンピオンの数を増やし興行的なメリットを得ることが、階級細分化の目的の一つとも言われる。
階級の名称は、団体によって異なる場合がある。WBA(世界ボクシング協会)とWBC(世界ボクシング評議会)では、以下のとおり。近代ボクシングが発祥したイギリスの単位系にしたがいポンド(1ポンド=0.45359237キログラム)を単位として計量される。
ミニマム級 / 105ポンド(47.61キログラム)以下
ライト・フライ級 / 108ポンド(48.97キログラム)以下
フライ級 / 112ポンド(50.80キログラム)以下
スーパー・フライ級 / 115 ポンド(52.16キログラム)以下
バンタム級 / 118ポンド(53.52キログラム)以下
スーパー・バンタム級 / 122ポンド(55.34キログラム)以下
フェザー級 / 126ポンド(57.15キログラム)以下
スーパー・フェザー級 / 130ポンド(58.97キログラム)以下
ライト級 / 135ポンド(61.23キログラム)以下
スーパー・ライト級 / 140ポンド(63.50 キログラム)以下
ウェルター級 / 147ポンド(66.68キログラム)以下
スーパー・ウェルター級 / 154ポンド(69.85キログラム)以下
ミドル級 / 160ポンド(72.57キログラム)以下
スーパー・ミドル級 / 168 ポンド(76.20キログラム)以下
ライト・ヘビー級 / 175ポンド(79.38キログラム)以下
クルーザー級 / 190ポンド(86.18キログラム)以下
ヘビー級 / 190ポンド(86.18キログラム)超
日本では、JBC(日本ボクシングコミッション)が日本における唯一の公式ランキングをミニマム級からミドル級までの13階級に認定している。選手数が少ないため長い間ランキングを認定していなかったヘビー、クルーザー、ライト・ヘビー、スーパー・ミドルの重量級4階級でも、順次ランキングを作成することを2009年9月に決定した。
なお女子プロボクシングの場合、クルーザー級は設けられず、団体によってはミニマム級より下となる102ポンド以下のアトム級が設けられている。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2009年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報